私のオススメ・佐伯一麦さんの「読むクラシック」
2007-04-07


仙台在住の作家、佐伯一麦さんの「読むクラシック」(集英社新書)を紹介したい。

伊坂幸太郎、熊谷達也、瀬名秀明、小池真理子・・・等々、仙台出身、在住やゆかりの作家達が全国的な活躍を見せはじめて数年、何年か前には「今仙台が熱い」といった特集が雑誌に組まれたりして、その勢いは今なお続いている。昨年秋には、歌人・俵万智さんも仙台に居を移された。

そうした作家の一人に佐伯一麦さんがいる。昭和34年、仙台生まれ現在も仙台に住んでおられるが、平成16年には「鉄塔家族」で大佛次郎賞を受賞している。

さて、佐伯さんはクラシック音楽に造詣が深く、「読むクラシック」では48の曲にちなんだ自伝的エッセイがつづられている。当然、仙台の街や自然を舞台に、思い出の音楽とともに、高校生活のことや、その後の友人達との行き来が書き込まれることも多い。なじみの景色、季節、高校(私と佐伯さんは同窓)と音楽の織り成すハーモニーは、ユーモアのある温かさに溢れている。

仙台在住の作家が仙台を舞台にクラシックを語る、千円に届かないこの本は、まさに読む「せんくら」としてオススメの一冊である。

大澤隆夫
(仙台市市民文化事業団副理事長・仙台クラシックフェスティバル運営委員長)

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