荒川洋(2)NJP〓オーケストラでの奮闘記〓
2007-06-11


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こんにちは!!! フルートの荒川洋デス。第2回よろしくお願いします。今回はうちの母体のオケ(オーケストラ)である新日本フィルハーモニー交響楽団についての話。

小澤征爾と当時の有志メンバーで立ち上げた在京のオーケストラで、今でもクリスティアン・アルミンクが音楽監督として日々奮闘している団体です。僕が入った頃のオケはとにかく昔からピリっとしていて、それでいて人間も音楽も喜怒哀楽がたくさんある場所。よく笑うし楽しいけど、同時に演奏のインプレッションに大変厳しい一面もあり、今でもそれは受け継がれています。とにかく、ノーミスなのは当たり前で、その瞬間の楽曲分析ができていて、自分の役割を自覚していないとすぐ先輩からのツッコミがはいるという所。少なくともフルート1番のポジションはそうだと思っています。付け加えて、首席の白尾彰さんというオケ百戦錬磨でルイロの魔法使い。。先輩として尊敬できる素晴らしいプレイヤーです。僕はそんな彼の代わりを任されている「副首席奏者」をしているわけで、彼のいないときのプレッシャーは実は当時から相当なもの。だからこそ、まだまだ10年やってもオケマンとしては修業が足りん!って思うし、いつも音楽やアンサンブルに発見があり、果てしなく深く終わりがないなーって思ってます。白尾さんがどこかの記事で、「みんなで協力し合いながら出すピアニシモは、本当に素晴らしい」との記事があったけど、本当にそうだと思う。一人でピーって出るのは簡単だからこそ、交響曲の静かな楽章の最後の部分のピアニシモなんかは、よくみんなで声をかけあって「もう一回合わせようよ」って言い合う。音程一つ、フレーズの処理にしてもみんなで議論を交わす。誰が悪いとかじゃなくて、一人一人がどう立ち回ればいいのかなって考える。そうやって、考えながら、本番当日みんなでその瞬間、集中力がギューと凝縮された瞬間を体感し、終わった後みんなで「よかったよー」とか「すーばらし」とか言って讃えあう。そんな職場デス。チームワークだからソロとはまた違う。でもだからこそ音楽の役割分担、音の和声上の性質をだんだん理解してくる。それがいざ一人で吹いたときにとてつもなく血や肉になっているのが分かるんですね。面白い!

たとえば、一人でシャコンヌかなんかを吹いているとき、後ろに聞こえるはずのない伴奏が聞こえてくるんです。一人で吹いている孤独感が払拭され、欲しいと思ったコンチェルトのような伴奏が聞こえてくる。これは、ソロの他にもオーケストラで日々奮闘しているからこその、ちょっとした財産なのかなって思います。

写真はゲツヨル(日本放送)6/11放送分の収録の時。ゲストで最上君(右)出演。彼も素晴らしいプレイヤーで宮城県出身です(^_^)

荒川HP:[URL]

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