仙台フィルハーモニー管弦楽団(5)
2007-07-12


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今日は、ティンパニの竹内将也が担当します。私は舞台の一番後ろにいます。ちょっと客席から遠いのですが、立って演奏していますのでわかりやすいかもしれません。

仙台に移って5年になろうとしています。仙台は町の大きさが生活するのにちょうどいいし、他の地域から移ってきた人に親切で、とても住みやすく仙台が気に入っています。妻も同じく仙台フィルでヴァイオリンを弾いていますが、生まれは静岡です。仙台には私より長く住んでいます。

「せんくら」は、気軽に音楽が聴けてとてもいい企画だと思います。今回、仙台フィルが演奏する曲目では、ベートーヴェンの「第九」で、ティンパニはとても重要な役割を担っています。それから同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の第3楽章の終わり近くで、独奏ピアノとティンパニとのデュエットの部分があります。この部分は、私は指揮者とではなく、ピアニストと直接アンサンブルすることに心がけています。第3楽章のすべてを貫く基本のリズム(ノリ)があり、それを受け継ぐかたちで最後にティンパニが残って独奏者と音楽を織りなすのです。

実は協奏曲で独奏者とティンパニのデュエットのある曲が、結構あります。作曲家はしばしばティンパニをオーケストラにおけるその象徴的な存在として、独奏と対峙させるようです。また、グリーグのピアノ協奏曲、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、ティンパニの独奏で始まります。是非聴いてみてください。

子どものころ、父がレコードが好きで、家では音楽がよく流れていました。その父の勤めていた会社が楽器を作るようになり、音楽教室を開設しました。そこに兄とともに通わされたのですが、次第に面白くなり音楽が好きになりました。その兄も現在テレビ局で音響の仕事をしています。

中学生になって、部活で吹奏楽部を選びました。トロンボーンあたりをやろうかなと思っていたのですが、先輩がドラムセットを演奏していたのを見て「かっこいい!」と、瞬時に打楽器に心変わりしました。私が入った年に新しくティンパニが来たのですが、ほどなくしてドラムセットよりティンパニを好むようになってしまいました。高校にはオーケストラがありました。オーケストラの打楽器といえば、もうティンパニ中心ですし、音楽大学へ進むときも、ティンパニで受験する制度が出来た第1号生として入学しました。なんだか、自分の人生はティンパニに導かれているような気がしてなりませんし、それほどティンパニが大好きです。

作曲家が自身の新しい響きを求めるとき、打楽器にその可能性を託しているところが非常に大きい気がします。打楽器を効果的に、ノリ良く使わせる作曲家は優れた作曲家といえるでしょう。ですから打楽器奏者にも豊かなイメージと自由な発想、そして何より自然体であることが求められていると思っています。

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