プロデューサー・ノート<アミーチのこと>
2007-10-01


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<ポッドキャストに答える原田禎夫さん>

いささか手前味噌で恐縮ですが、今年のせんくらブログは昨年よりは大分いいと思われませんか?先週の山下洋輔さんや吉松隆さんのように一般雑誌で原稿をお願いしても、なかなか書いていただけないような、文筆としてもプロレヴェルの方のご登場もありましたし、昨年からの継続の方々も大分慣れていい感じになってきたと思います。普通の方にとっては音楽よりも、こちらのほうが人となりとか、はっきりつかめて興味深いかもしれません。

特に今週のアミーチ英語篇は面白いですね。日本人の川崎洋介さんですが、純ドメスティックとは全く違う感覚で、いつもと違う風が吹いています。(これまで思いつきませんでしたが、松山冴花さんなんかも二ヶ国語バージョンだと、よりよかったかもしれません。)

川崎洋介さんは、日本人でジュリアード音楽院の教授にまで上り詰めた川崎雅夫先生のご子息で、これまでNYを本拠に活動していましたが、カナダのオーケストラに呼ばれたり、大阪のセンチュリー交響楽団でゲストコンサートマスターをやっていたり、サイトウキネンや水戸室内管弦楽団に出没したりと、正に世界を又にかけた活動ぶりです。

ポッドキャストでの原田禎夫さんによると、「川崎洋ちゃんは、水戸で弾いていて、体の動きがすごくいいので気に入って声をかけた。」とのことでアミーチに参加することになったとか。

原田禎夫さんは今更言うまでも無く、30年にわたって東京カルテットのチェロ奏者を勤めた日本ナンバーワンの、世界でも屈指の室内楽奏者です。

ドイツの名門音楽大学のトロシンゲン音楽院の教授コンビのジム・クライツと原田禎夫、そして元イ・ムジチのリーダーのアゴスティーニに川崎洋介さんが加わったアミーチカルテットは本当のインターナショナルカルテットと言えるでしょう。

インターナショナルだとかっこいいいですが、大変なのは練習です。ちょっと誰かの家に集まって、というわけにはいきません。ブログにあるように飛行機やらアウトバーンやらを経てようやく集まり、合宿のようなことをしていただくわけです。

弦楽四重奏が「ちょっと難しそう」と敬遠されるのは世界共通ですが、トップクラスのものは必ず人の心を打ちます。びっしりと合宿して準備していただいた、アミーチの4コマは明らかに今年の目玉です。どうぞ弦楽四重奏=室内楽=音楽の真髄を味わってください。

平井洋 せんくらプロデューサー

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