プロデューサー・ノート 第2回せんくら終了
2007-10-09


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<作曲家マル非裏話中の吉松隆さん>


今年のせんくらが終わりました。何でもそうですが、本番が始まってしまえばあっという間ですね。

101回の本番ともなれば、出演者は延べ数百人。昨年河合隼雄先生が直前にお倒れになるなど、出演者の病気や事故は普通はあるパーセンテージで避けられません。ところが今年は、そういうことがなく、皆様無事にご出演いただけました。まずはそれが何より。

もちろん、個々の出演者は、この1年で本当は大病したり、ご家族で大きな事件があったり、色々な方がいらっしゃり、それらを乗り越えてきてくださっているわけです。聴衆の皆様もそうでしょう。

昨年は、出演者の皆様の多くの方が言ってくださったのはボランティアの素晴らしさで、全会場の受付やカメラマンがボランティアの皆様のというのには仰天していました。

今年はもうそれらのことは、ある種当然の前提になっていて、今回異口同音に演奏家の皆様がおっしゃるのは「聴衆の素晴らしさ」でした。演奏家としてはビジネス的に言えば「仕事をもらっている」ということでもあるので、お世辞か、と思ってしまう面もありますが、それにしてもあまりに皆様が口を揃えておっしゃいます。例えばアコーディオンの御喜美江さんのブログでは以下のように書かれています。

<<「せんくら」は3日間で101公演がどれもほぼ満席。それだけでも驚異的なことなのですが私がもっと驚き、もっと感動したことは演奏中に感じる聴衆のものすごい集中力とそのあとの爽やかな笑顔でした。これはきっと一生忘れることはないでしょう。>>

ハープの早川さんはこんなメールをくれました。

<<今日の演奏会、2回とも、お客さまはそれはそれは真剣に聴いて下さり、「音に耳を傾ける」集中力に感激でした。舞台で、お客さまの音楽を楽しむ姿勢にこれほど感激するのは初めての経験でした。>>

東京カルテットで30年も世界中で「カルテットは地味だ。」「カルテットは難しくて客も入らない。」と言われつづけてきたチェロの原田さんも、今回の聴衆のすばらしさは絶賛しておられました。

こういったことは、私は正直言ってあまり事前に想定していなかったのですが、これこそ<せんくら>の最大の誇り、財産になったと言ってよいのではないでしょうか。

それから、色々なご事情でせんくらにおでかけになれなかった皆様、以下の媒体でせんくらの番組が放送していただけるはずです。

NHK教育テレビ (芸術劇場 11月16日(金)22:25頃の予定)

TBSラジオ OTTAVA
ラジオNIKKEI
ミュージックバード

放送時間等詳しいことはオフィシャルサイトでご案内させていただきます。

それから、以下の出演者の方のブログでは、実況中継のように毎日せんくらの記事を載せていただいています。

吉松隆
[URL]
御喜美江
[URL]
長谷川陽子
[URL]
福田進一
[URL]


せんくらにおでかけいただけなかった方々も、おいでいただいた方々もこういったものでも、楽しんでいただければ幸いです。

どうやら、このフェスティバルは来年も続きそうです。また、皆で楽しみましょう。

平井洋 せんくらプロデューサー

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