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日本は連日たいへん蒸し暑い日々だそうで、友人、知人からくるメールには必ず「ヨーロッパの涼しさが羨ましい」とあります。まあ気温だけをとればこちらのほうがいいでしょうけれど、先週は大雨が3日間降り続けて、ドイツ・オランダでも大きな被害が出ました。水というのは実に恐ろしいものです。テレビや新聞のニュースに出るのは規模の大きな水害ばかりですが、今回私が被った(村のタダ新聞にすら載らないような)ミニ被害だって、自分にとっては疲労困憊系の大事件でした。
それは10日金曜日の朝。車をスタートさせた途端、ピチャピチャ、ポチャポチャ、派手な水音がします。それも外ではなく車の中で。「おかしいなぁ、雨はやんでいるのに。」と思いながら次の信号を右カーブすると、思わず水飛沫が飛んできました。「うわ〜、これは一体なんだ!」と右サイドを見ると、なんと右側の床がまるで水槽のようになっています。これにはビックリ仰天、急いで大学の駐車場に引き返して守衛のおじさんをよんできました。守衛さんも車中をみるなり絶句。「バケツをひっくり返したような大雨だったからねぇ、でもそれにしてもこれはひどいや。」と。もちろん窓は全部ちゃんと閉まっていました。それから私は大きな雑巾を2枚借りて、腰の骨がへし折れそうになるまで水を外に出し、水槽が水たまり程度になったところで、なんとかオランダの自宅に戻ってきました。ところが我家の地下室へ降りてゆくと、なんとここにも水が!どっかから浸入してきた水は床全体を平面に覆ってキラキラと光っているのです。この時点でほとんど切れそうになりましたが、今朝テレビで見たニュースを思い出し「家一件なくした人もいるのだから頑張ろう!」と自分に言い聞かせ、ふたたび雑巾活動を開始したのです。
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アコーディオンは伴奏楽器として野外でもよく演奏されます。ですから「外で弾く楽器」と思っている人も多いのですが、実は水にものすごーく弱い楽器なのです。それも値段が高くなればなるほど、この楽器は水に弱い。なぜかと言うとアコーディオンには皮、木、紙といった素材がふんだんに使われているからで、とくに柔らかい皮と紙からなる「蛇腹」が濡れてしまったら、もうおしまいで修理も出来ません。また鍵盤やボタンの内部にはフエルトがあり、ここも水が大嫌い。ですからもし野外でアコーディオンを演奏する場合は、出来るだけプラスチックやビニール豊富のもの、濡れたら拭けるもの、そしていつでもどこでも購入できるお値段のもの、お勧めします。
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今回の水害ではつくづく「あぁ、アコーディオンが濡れなくてよかった。」と胸をなでおろしました。アコーディオン奏者の皆様、留守をするときは面倒でもアコーディオンはきちんとケースに入れ、できれば内部をビニールで覆い、可能な限り安全な場所に保管しましょう。
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