山下洋輔(7)
2007-09-29


ピアノ協奏曲第一番「エンカウンター」はその後、栗山和樹さん編曲の木管アンサンブルに、原朋直(tp)、川嶋哲郎(ts)というジャズ・ソリストを迎えて演奏され、さらにピアノ協奏曲第二番「ラプソディ・イン・F」もできました。これは指揮の茂木大輔さんが途中でソリストに変身して吹きまくるという場面があります。そんなこんなの経過の末、さらに来年は東京オペラシティ開館10周年ということで、第三番を作曲初演することになりました。今その制作のまっただ中で毎日がパニックの日々です。

思わず自作曲の話ばかりになりましたが、すべては「ラプソディ・イン・ブルー」から始まったことは前に述べました。その「ラプソディ」の準備は進んでいます。といいますか、実は今年は「ラプソディ」の当たり年で、6月以来、神奈川フィル・金聖響、瀬戸フィル・山田和樹、大阪シンフォニカー・大山平一郎(3回)とやって、この「せんくら」が今年の打ち止めなんですね。交響楽団との共演は音楽生活の中で最も嬉しく楽しいことの一つですが、やはりジャズ・コンサートの演奏とは違う緊張感があります。いやあ、実際大変なんですよ。でもこの「せんくら」の日は千秋楽なので、きっと身も心も解放された姿をお目にかけることが出来ると思います。是非ご一緒にその時間を楽しみましょう。またその翌日にはソロピアノを2回ご披露しますが、これはもう何の制約もない世界です。果たして何が発見できて自分がどこまで行けるのか、今からどきどきしています。

日本の音楽の歴史に素晴らしい伝統を作りつつある「せんくら」に参加できる幸せをあらためて噛みしめております。

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